ドールという変移する記号




美術展『ドールという変移する記号』

現在、人形の訳語として使われる「ドール」は歴史が浅く、玩具としての人形を指すことが多いようです。ドールが発生する以前には操り人形を指す「パペット」がありました。「パペット」は呪術的な小さい人形を指す「ポペット」を語源としています。こうした一例から、人形の存在が歴史の中で変化してきたことが想像できます。かつて、祓除やお守りとしての役割を担い、扱われてきた人形たち。現代では、鑑賞用から玩具まで多種多様な人形が作られています。なかでも、日本の創作人形においては、球体関節人形などが独自の変化をし様々な表現が見られます。

私たちは人形と向き合うとき、「ひとがた」という象徴に潜在する役割を改めて想像することでしょう。そして同時に作家が「ひとがた」と対峙した際に生まれる情念も感じるはずです。

人形の訳語として定着した「ドール」。私たち人間の営みのなかで、今後も人形の存在は変わり続けるかもしれません。「ひとがた」という象徴を広く見つめ直しながら、その意義を考えていければと思います。






越後しの〈sino echigo〉




せん〈sen〉




さくまいずみ 〈sakuma izumi〉




一実 〈itsumi〉




芽々木 〈memegi〉




大吉 〈daikichi〉




叶きりく 〈kiriku kanou〉




睡眠 〈suimin〉




ヒラギノ 〈hiragino〉




川村千紘 〈chihiro kawamura〉




阿部真沙央 〈masao abe〉




しょうじこずえ 〈kozue shyouji 〉






会場:秋保の杜佐々木美術館&人形館 美術館1階

開催期間:2021年11月13日(土曜日)-12月12日(日曜日)

主催:秋保ひとがた文化研究室

助成:(公財)仙台市市民文化事業団